
- 「もしかして、自分はED(勃起不全)かもしれない…」
- 「パートナーとの時間が気まずい…」
EDは、多くの男性が経験する可能性のあるデリケートな悩みです。
年齢のせいだと諦めてしまったり、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまったりしていませんか?
EDは決して珍しいことではなく、その原因も様々です。
そして最も重要なのは、原因を正しく理解し、ご自身に合った対策や治療法を見つけることで、改善できるケースがほとんどだということです。
この記事では、EDの専門的な情報を分かりやすく解説します。
EDを引き起こす4つの主な原因

EDと一言でいっても、その原因は一つではありません。
主に「身体」に原因がある場合や「心」に原因がある場合、その両方が複雑に絡み合っている場合があります。
ご自身のタイプを知ることが、改善への第一歩です。
原因1:身体の問題(器質性ED)|生活習慣病との深い関係
血管や神経など、身体の機能的な問題によって引き起こされるEDです。
特に40代以降のEDでは、このタイプが最も多いと言われています。
その主な原因の一つが、動脈硬化です。
勃起は、陰茎の海綿体というスポンジ状の組織に大量の血液が流れ込むことで起こります。
しかし、動脈硬化によって血管が硬く狭くなると、十分な血液を送り込むことができなくなってしまうのです。
そして、この動脈硬化を進行させるのが、次の生活習慣病です。
- 糖尿病: 高血糖の状態が長く続くと、血管や神経が傷つけられEDの直接的な原因となる
- 高血圧: 常に血管に高い圧力がかかっているため、血管が硬くなる動脈硬化を促進する
- 脂質異常症: 血液中の悪玉コレステロールなどが増えることで、血管の壁にプラーク(塊)が溜まり、血液の通り道を狭めてしまう
他にも、喫煙(血管を収縮させる)や過度な飲酒(神経の働きを鈍らせる)、運動不足や肥満なども器質性EDの要因になります。
原因2:心の問題(心因性ED)|20代・30代に特に多い
身体には特に問題がないにもかかわらず、精神的なストレスや不安が原因で起こるEDです。
身体機能が元気な若い世代に多く見られるのが特徴です。
「また失敗したらどうしよう」というプレッシャー(予期不安)
過去の失敗体験がトラウマとなり「次もダメかもしれない」という強い不安が、脳からの勃起の指令を妨げてしまいます。
心因性EDの最も代表的な原因です。
仕事や人間関係のストレス
過度なストレスは、心身のバランスを司る自律神経を乱します。
リラックスすべき場面で交感神経(興奮モード)が優位になってしまい、勃起に必要な副交感神経(リラックスモード)の働きが阻害されてしまうのです。
パートナーとの関係性
パートナーとの間に悩みがあったり、関係がうまくいっていなかったりすると、精神的な負担となりEDを引き起こすことがあります。
うつ病・うつ状態
うつ病になると、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れ、性的な欲求そのものが低下しEDの原因となることがあります。
原因3:身体と心の両方(混合性ED)
生活習慣の乱れから軽度の動脈硬化が始まり、たまに失敗するようになった結果、「またダメかもしれない」という不安が重なり症状が悪化する…。
このように、器質性EDと心因性EDが合併しているケースも少なくありません。
特に中高年の方に多く見られるタイプです。
原因4:薬の副作用(薬剤性ED)
高血圧の治療薬(一部の降圧剤)や精神疾患の治療薬(一部の抗うつ薬など)、AGA(男性型脱毛症)治療薬の一部には、副作用としてEDを引き起こす可能性が報告されています。
ただし、これらの薬は自己判断で中断すると、元の病気が悪化する危険があります。
心当たりがある場合は、必ず処方した医師に相談するようにしてください。
EDを改善するための選択肢

ご自身のEDの原因がどのタイプか、おおよそ見当がついたでしょうか。
原因が何であれ、改善のためにできることはたくさんあります。
ここでは「自分ですぐに始められること」から「専門クリニックで行う本格的な治療」まで、具体的な解決策をご紹介します。
セルフケアで改善を目指す
まずは、EDの大きな原因となる生活習慣を見直すことから始めましょう。
特に、軽度の器質性EDや心因性EDの場合、セルフケアだけでも大きな改善が見込めることがあります。
食事の見直し:血流をサラサラに
食生活は、血管の健康に直結します。
揚げ物や脂っこい食事、糖質の多い食事は控えめにして、血流改善をサポートする次の栄養素を積極的に摂りましょう。
- 青魚(DHA・EPA): 血液をサラサラにし、動脈硬化を防ぐ
- 緑黄色野菜・果物(ビタミン・抗酸化物質): 血管の老化を防ぐ
- 玉ねぎ・にんにく(アリシン): 血行を促進
- ナッツ類(ビタミンE): 血管を広げ、血流をスムーズに
運動の習慣化:血管を強くしなやかに
特にウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、ED改善に効果的です。
週に3回、1回30分程度を目安に続けてみましょう。
運動によって血流が良くなるだけでなく、血管そのものが若返り、勃起力の維持に不可欠な男性ホルモン(テストステロン)の分泌も促されます。
禁煙と節酒:血管へのダメージをストップ
禁煙は、ED改善において最も効果的な生活習慣の改善の一つです。
タバコをやめるだけで、血流は劇的に改善します。
また、過度なアルコールは神経の伝達を妨げます。
お酒は「百薬の長」と言いますが、嗜む程度に留め、休肝日を設けることが大切です。
専門クリニックで根本治療を目指す
すでに進行した動脈硬化や深刻な心理的要因がある場合、それだけで完全に回復するのは難しいかもしれません。
より確実でスピーディーな改善を望むなら、専門クリニックの受診が最も賢明な選択です。
薬物療法:主流な「ED治療薬(バイアグラ等)」の効果と特徴
現在、ED治療の第一選択肢となるのが、PDE5阻害薬と呼ばれる経口の治療薬です。
これらは性的興奮があった際に、陰茎への血流を増やし、力強い勃起をサポートします。
日本で認可されている代表的な治療薬には、次のものがあります。
- バイアグラの後発品(ジェネリック):250円~1,000円程度
- シアリスの後発品(ジェネリック):700円~1,500円程度
※ED治療薬1錠あたりの料金目安
どの薬が合うかは、ライフスタイルや個人の体質によって異なります。
専門医と相談し、ご自身に最適な薬を処方してもらいましょう。
最新治療:新しい選択肢「衝撃波治療・レーザー治療」とは?
「薬を飲み続けるのは抵抗がある」「EDを根本から治したい」という方から近年注目されているのが、物理的なエネルギーを利用した新しい治療法です。
衝撃波治療(低出力体外衝撃波療法)
ごく微弱な衝撃波を陰茎に照射することで、血管の元となる細胞を刺激し、新しい血管を作り出す(血管新生)ことを促す治療法です。
血管機能の改善を促すため、EDの根本的な改善が期待でき、治療後は薬が不要になるケースもあります。
- メリット: 根本治療が目指せる、治療中の痛みがほとんどない、副作用の報告が少ない。
- デメリット: 効果を実感するまで複数回の通院が必要、自由診療のため費用が高額になる場合がある。
レーザー治療(低出力レーザー治療)
特定の波長のレーザーを照射することで、細胞のエネルギー源であるミトコンドリアを活性化させ、血流改善や組織の修復を促す治療法です。
衝撃波治療と同様、根本的な改善を目指すアプローチの一つとされています。
これらの最新治療は、薬が効きにくい方や薬の副作用が心配な方にとって、新たな希望となる可能性があります。
ご興味がある方は、これらの治療法を導入している専門クリニックに相談してみましょう。
専門クリニックでの治療が推奨される理由
「病院に行くのはハードルが高い」「ネットで買える精力剤ではダメなの?」
そのお気持ちは、よく分かります。
しかし、手軽に見える方法には、効果がないだけでなく、深刻なリスクが潜んでいることを知っておく必要があります。
市販の精力剤やサプリメントは「健康食品」に分類される
ドラッグストアなどで販売されている精力剤やサプリメントは、法律上「健康食品」に分類されます。
これらは滋養強壮などを目的としたものであり、EDを「治療」する医学的な効果は認められていません。
配合されている成分も、効果が科学的に証明されていないものがほとんどです。
気休め以上の効果は期待できず、根本的な解決にはつながりません。
【危険】個人輸入のED治療薬に潜むリスク
インターネット上では、海外製のED治療薬が安価に販売されているのを目にすることがあります。
しかし、これに手を出すのは絶対にやめてください。
国内のある調査では、個人輸入されたED治療薬の約4割が偽造品だったという衝撃的なデータも。
偽造薬には、次のようなリスクがあります。
- 有効成分が全く入っていない
- 表示より成分量が多すぎたり少なすぎたりする
- 不純物や有害物質が混入している
効果がないどころか、深刻な健康被害を引き起こす恐れがあります。
あなたの健康を守るためにも、薬は必ず医療機関で処方してもらってください。
失敗しない!ED治療クリニックの選び方5つのポイント

いざED治療をしようと思っても、数あるクリニックの中から自分に合った場所を見つけるのは難しいものです。
ここでは、後悔しないクリニック選びのために、チェックすべき5つのポイントをご紹介します。
①衝撃波治療など治療法の選択肢は豊富か
ED治療は、薬を処方して終わりではありません。
あなたの症状やライフスタイル、そして「どうなりたいか」という希望によって、最適な治療法は異なります。
いまは薬物治療だけでなく、根本改善を目指せる衝撃波治療などもあります。
幅広い選択肢を提示してくれるクリニックは、患者一人ひとりに寄り添っている良いクリニックと言えるでしょう。
②オンライン診療に対応しているか
「忙しくて通院する時間がない」「地方在住で近くに専門クリニックがない」「対面での診察は、やはり少し緊張する…」
という方にとって、オンライン診療は非常に便利な選択肢です。
スマホやPCを使うことで自宅から医師の診察を受け、薬を郵送してもらえます。
オンライン診療の可否も、クリニック選びの大きなポイントです。
③プライバシーへの配慮は十分か
EDは極めてプライベートな悩みです。そのため、患者のプライバシーに最大限配慮しているクリニックを選びましょう。
- 完全予約制で、他の患者と顔を合わせることがないか
- スタッフは男性のみか
- 院内での呼び出しは名前ではなく番号か
- 薬は院内で直接処方されるか(調剤薬局に行く必要がないか)
といった点を、公式サイトなどで確認しましょう。
④治療費の価格体系が明確か
ED治療は自由診療のため、料金はクリニックによって様々です。
診察料や薬代、各種治療費が公式サイトに明確に記載されているかを確認しましょう。
「料金については来院後に説明します」といった、価格が不透明なクリニックは避けた方が賢明です。
⑤通いやすさ(立地、診療時間)
特に衝撃波治療などで複数回通院する可能性がある場合、アクセスの良さは重要です。
駅からの距離や、土日や夜間も診療しているかなど、ご自身のライフスタイルに合わせて無理なく通えるクリニックを選びましょう。
【料金】ED治療にかかる費用の目安は?
ED治療を始めるにあたり、多くの方が気になるのが費用面だと思います。
ここで、一般的な料金の目安をご紹介します。
ED治療は自由診療(保険適用外)
まず、ED治療は(一部の不妊治療を除く)公的医療保険が適用されない自由診療です。
そのため、費用は全額自己負担となり、クリニックが独自に価格を設定しています。
初診料・再診料の相場
- 初診料・カウンセリング料:無料~3,000円程度
- 再診料:無料~1,500円程度
最近は、相談のハードルを下げるために診察料を無料にしているクリニックも増えています。
ED治療薬1錠あたりの料金目安
- バイアグラの後発品(ジェネリック):250円~1,000円程度
- シアリスの後発品(ジェネリック):700円~1,500円程度
ジェネリック医薬品を活用することで、費用を抑えることが可能です。
衝撃波治療・レーザー治療の料金相場
1回あたりの料金は30,000円~100,000円程度です。
複数回の治療を1セットとするコース料金を設定しているクリニックが多く、1回あたりの費用はコースによって変動します。
高額に感じるかもしれませんが、将来的な薬代が不要になることを考慮すると、長期的なコストパフォーマンスに優れる可能性があります。
※ここに記載している料金はあくまで目安です。正確な料金は、各クリニックの公式サイトでご確認ください。
【まとめ】EDは治療は一人で悩まず専門家へ相談を

EDは、諦める必要のない「治療できる」悩みです。
生活習慣の改善から専門クリニックで行われる薬物治療や衝撃波治療といった最新の選択肢まで、治療法はあります。
原因は人それぞれだからこそ、解決策も一つではありません。
どの原因であっても、改善への最も確実で安全な一歩は、専門家である医師に相談することです。
ほんの少しの勇気が、あなたの自信と、パートナーとの豊かな時間を取り戻す大きなきっかけになります。
一人で抱え込まず、ぜひお気軽にご相談ください。
【よくある質問】EDに関するQ&A
多くの方が抱くED治療の疑問をQ&A形式でお答えします。
Q. 衝撃波治療は痛いですか?効果はどのくらい続きますか?
A. 衝撃波治療は、ごく低出力のエネルギーを用いるため、痛みはほとんどありません。
ピリピリとした刺激を感じる程度です。
効果の持続期間には個人差がありますが、血管新生による根本的な改善が目的のため、治療完了後は長期的な効果が期待できるとされています。
Q. 薬はずっと飲み続けないといけませんか?
A. 必ずしもそうではありません。
生活習慣の改善や、衝撃波治療などの根本治療によって、薬が不要になる(卒業できる)ケースも多くあります。
まずは薬のサポートを受けながら自信を取り戻し、並行して根本的な原因の改善に取り組むのが理想的です。
Q. 副作用が心配です。
A. ED治療薬の主な副作用として、顔のほてり、目の充血、頭痛、鼻づまりなどが報告されています。
しかし、これらは血流が良くなったことで起こる一時的な症状であることがほとんどです。
通常は数時間で治まりますが、万が一症状が続く場合や、気になることがある場合は、処方した医師に相談してください。
Q. 保険証は必要ですか?会社や家族にバレませんか?
A. ED治療は自由診療のため、保険証は不要です。
受付も本名ではなく番号で読んだり、薬も院内で直接受け取れたりと、プライバシーには最大限配慮されています。
Q. パートナーには、どう打ち明ければ良いでしょうか?
A. とてもデリケートな問題ですが、可能であればパートナーに相談することをお勧めします。
EDは二人の問題であり、一人で抱え込むことで心理的な負担が増し、症状が悪化することもあります。
「一緒に解決していきたい」という姿勢で誠実に話すことで、きっと理解を得られるはずです。
クリニックによっては、カップルでのカウンセリングに対応しているところもあります。